前略、道の駅より

ほとりカフェは10月8日から再再再開しました。お客様に来ていただけるかどうかを心配する事よりも、再開できる事だけで良しとしようと思っていました。ところが、想像以上に多くのお客様にご来店いただきました。緊急事態宣言解除後の貴重なお休みの日に当店にご来店いただきありがとうございます。次回の営業は10月15日です。日本一の道の駅がある岩出山にお越しの際にお立ち寄りいただけると幸いです。

あきさい

秋の紫陽花。渋く色づいたこの時期の紫陽花も好きです。本当は剪定しないといけないですね。ところで、ほとりカフェ本日も11時にオープンします。

bon bon bon voyage

サン・ファン・バウティスタ号と言えばこの角度をよく見ます。とは言え、解体が決まっているのでそろそろ見納め。支倉常長はこの船に乗ってどんな出会いがあったのでしょうか?正に歴史ロマン。いつか大河ドラマでやってくれないかなぁ。ところで、ほとりカフェは本日11時より3回目に処女航海に出ます。ボン・ボン・ボン・ボヤージュ!・・・・石巻の人が知事になったら壊されずに残るのかな?

こんな本置いてます vol.204/リボルバー

次に読む本は原田マハさん。原田マハさんの作品が読みたい。と、理由はともあれ妙な衝動に駆られて原田マハさんの作品を買いに本屋へ行きました。しかし、大きな本屋では置かれている作品が多すぎて何を買ったらよいか悩んでしまうので、小さな本屋に行くことにしました。小さな本屋は置かれている作品が限られている。と、言うよりも最近発刊された本しか置かれていない。と、言うわけで偶然ではなく必然的にリボルバーを手にすることとなりました。そして、読んでみました。うん、はっきり言って面白いです。期待を裏切らないどころか期待以上に引き込まれて、一気に読めてしまいます。面白さの理由の一つとして、巻末に紹介されている参考文献の数々とオルセー美術館やロンドンナショナルギャラリーなどなど協力者の数々、さらにプロデューサーという役割の方も2名記されています。小説という作品も一つの巨大なプロジェクトの中で生まれているという事がよく分かります。さて、物語は史実と虚構が入り混じったフィクションです。そして物語は、最終ページに書かれている実際の出来事、2019年に2000万円で落札されたゴッホが自殺に用いたとされるリボルバーに端を発します(ストーリーはそれより少し前の出来事です)。ゴッホの自殺には今なお諸説があり、その真相を描いたフィクションです。ゴッホとゴーギャンの関係性やそれぞれのキャラクターも描かれていて、ゴーギャンがゴッホの元を去ることによって起こされたゴッホの”耳切り事件”にも触れられています。どうしてこれだけストーリーに引き込まれるのか?主人公の冴と冴が勤めるパリのオークション会社の社長とスタッフが読者が考えそうな(少なくとも私が考えそうな)推理(下世話な憶測も含めて)を展開してくれるので感情移入がしやすいという事も一つです。例えば、ゴーギャンが去ってゴッホが失意のあまり自分の耳を切るなんて、ただならぬ愛憎を想起してしまいます(が、ただならぬ愛憎はすぐに否定されます)。そして、ストーリーに引き込まれるもう一つの理由は、ゴーギャンの独白シーンも含まれたゴッホ、ゴーギャン、テオの性格や心情がリアルに伝わってくるところです。これが、巻末の数々の参考文献や協力者によって説得力を与えられているのではないでしょうか。あくまでもフィクションですが、史実を邪魔しないこういうフィクションは本当に楽しいです。美術に詳しくない人でも間違いなく楽しめると思います(私もあまり詳しくありません)し、これをきっかけにゴッホやゴーギャンの作品に興味も出てくると思います。それにしても、ゴッホもゴーギャンを見ても芸術家は特異な存在に感じてしまいます。その理由はゴーギャンの言葉を借りれば「画家だからです」という言葉がすべてだと思いました。もちろん全ての画家が特異な存在では無いことは言うに及ばずですが。最後に、ストーリーに引き込まれる最後の理由ですが、謎を解いて終わりではなく、余韻を与えてくれることです。謎を解いた後に主人公と一緒に体験する余韻が終盤に盛り上がった高揚感を整えて、気持ちよく本を解き放すことができます。

ゴールドフィンチ2

前巻読了から2年経過。あまり集中して読めなかった前巻の事、覚えていないかなぁと思っていたが、意外にも憶えていました。2巻の中でも前半はラスベガス編。後半はニューヨーク編。ラスベガスとニューヨークの人物対比がはっきりしています。国の事情は良く分かりませんが、ラスベガスは治安のいい所のはずですが、分かりやすく自堕落な人間ばかり登場します。1巻で爆破テロに巻き込まれた優等生な教育ママみたいな雰囲気だった主人公の母親がなぜ、この人を選んだのか不思議な位に自堕落な父親とその愛人、自堕落な悪友たち。主人公もここで一気に自堕落な世界におぼれてしまいます。でも、癖のある人たちが多い方がテンポよく読めてしまいます(女性が作者のせいかエグさは抑えられています)。ニューヨークに戻った後半は1巻と同じゆっくりなテンポに戻ります。この本との向き合い方で間違っていたのが、てっきり美術館爆破テロの謎解きとテロ犯と対峙する少年の物語と思って読んでしまった事です。2巻でも、それを追っかけて行ったので謎解き物語としては、全然話が進みません。爆破テロという事件が今後テーマとして扱われるかどうかは置いておいて、単純に青春物語としてとらえれば良かったみたいです。ただ、私の周辺の青春時代とはかけ離れ過ぎていて感情移入は難しいです。後2冊も必ず読みます。