こんな本置いてます vol.47/仏果を得ず

三浦しをんさんの作品を2冊。左はエッセイ集で、三浦しをんさんが体験した日常の出来事をつづった面白エッセイです。右の『仏果を得ず』。結果としてとても面白い本でした。文楽が舞台の主人公が成長していく青春物語となっています。文楽自体に縁がない私は、最初は題材が詩吟なのか民謡なのか落語なのか、よく考えずに読んでいてとても取っつきづらかったのですが、読みかけた本なので最後まで読もうと思って少しづつページをめくっていきました。しかし、いつの間にかのめり込んでしまって、いつしか積極的にページをめくっていました。女性作家でありながら、ザ・男の世界を描いているのもすごいのですが、師匠クラスから若手まで、それぞれの年代の男性がそれぞれ個性たっぷりで、気づいたら惹き込まれてしまっていました。主人公が、人間国宝級の師匠や先輩に翻弄されながら太夫(文楽の役割としては語りと言って語弊があるかどうか)として成長する姿や、子持ちの年上女性に惚れてしまうが故に翻弄される姿が、ユーモアや青春ドラマに通じる爽快な感動(もちろん現代では、いわゆるかつてのくささはありませんが)もまじえながら、読んでいる私も翻弄されました。何より、本に出会った事に喜びを感じる事は、読んだ後、文楽に興味を抱いてしまった事です。文楽を見る前に文楽の舞台裏を見てしまってますが、こういう疑似体験ができるのも読書の良さだと教えてくれる作品でした。読み終わった後、三浦しをんさんの『あやつられ文楽観賞』という本も買ってしまいました。

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