映画『すずめの戸締り』はひどく余韻が残ってしまう映画でした。内容は触れませんが色んな要素が詰め込まれすぎて、色んな所に興味が惹かれます。すずめとそうたとダイジンで物語は進んでいきますが、その他登場する人もすべてが訳アリで気になってしまいます。当然、そこまで描いてしまうと膨大な上映時間となってしまいます。ただ、やはり主人公すずめの叔母さんの背景は気になります。そんな観客の気持ちを補完してくれたのがこの掌編。映画館でチケットを買った時に付録のようについてきました。映画と同じ進行で環さんの語り口で、心情を描いています。合間に過去の出来事も語られるので、環さんの背景をつかむ事ができます。環さんの心が救われるお話ではないので、これを読んだからと言って決してスッキリとするものではありませんが、気になる訳アリは少しは解消できました。それにしても、新海誠さんは文章力もすごいです。情景は映画で見ているとしても、絵で見る部分も文章として十分伝わってきます。