獣医師の竹田津実さん著です。1月から12月までの12章の構成は、内容は180°違いますが川村元気さんの『四月になれば彼女は』と同じ章立てです。特に深い意味はありません。キタキツネの子育ての様子が特に注意を惹かれました。あたり前ですが、キツネも真摯に子育てをする事に驚きました。キツネが子どものために狩りをして食べさせる様子や徐々に独り立ちさせるために、動物の死骸から始めて徐々に生きている動物をエサに切り替えて、狩猟本能を育てていくさまに関心しました。子どもを突き放すことで親離れさせるキツネや、逆に子供に襲われて巣を追われる母キツネもいて、そういう自然界の厳しさはなんとも言えないです。この本は文章だけでなく生々しくも竹田津さんの愛情あふれるキタキツネの生態が写し出された写真も数多く掲載されていて目を惹きます。しかし、愛情があっても必要ならば駆除もしていかなければならない。人間のエゴやわがままではなく、そういう事も自然の摂理の一部のような気もします。ちなみに岩出山にも野生のキツネがいます。夜、2回程目撃しました。