こんな本置いてます vol.210/岩出山の新・むかしかたり

明治・大正・昭和初期に生まれた方の聞きがたりで、リアルな方言と趣のある挿し絵で、人々の生活、商売、馬市も開かれていたり、養蚕や赤子をオブって学校へ行っていたり、もちろん凍み豆腐づくりも、当時の岩出山の活き活きとしていた様子が描かれていて朝ドラの題材になってもおかしく無いほど、読みごたえがあって面白いです。終盤は納豆にページが割かれています。岩出山は当時は納豆も盛んで岩出山駅から陸羽東線でSLで運び出されていたようです。それゆえ、昔は岩出山駅の事を納豆ホームとも呼ばれていたそうです。昔は鉄道の役割って人を運ぶだけではなく物資の運搬でも重要な役割を果たしていたんですね。ただ、戦後GHQや国の政策によって、納豆の品質基準が厳格に変わっていく中、納豆の品質も個性も変わって極端に言えばどこの地域の納豆も味が変わらなくなってしまったそうです。そして、個性を失った岩出山納豆は衰退していってしまったそうです。良くも悪くも国の政策によって文化が廃れたり栄えたりしてしまうんだと、実感させられました。ともあれ、戦前戦中戦後の頃の話はテレビなどでもよく触れる事はありましたが、どこか遠い世界でした。でも、地元の話となると一気に身近に感じますね(まだ転居して5年目なので地元と呼べないか)。